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「西東京市民映画祭2005」レポート

2005年10月1日(土)

本年度の西東京市民映画祭の会期中に開催される第4回自主制作映画コンペティションに、我が監督作「白鳥の湖」がノミネートされた。考えてみれば、この作品がコンペに参加するのは完成後初めてのことである。

この記念すべき初コンペに出席したのは、私とスタッフの長澤和弘氏、俳優の初海大氏、麻生光氏、保田泰志氏の5名。当日は会場である西東京市の保谷こもれびホールに集合した。

確信から落胆へ

ノミネート作品の上映が始まる。全13作品。「白鳥の湖」はラストから2番目というかなりいいポジションに付けている。全作品上映後、審査の為にしばらく休憩時間が割かれた。・・・ホールの前で煙草を燻らせながら、私は内心或る確信を抱いていた。13作品中、グランプリや優秀作品賞など受賞枠は5つ、これはかなりの確率で何らかの賞を得るに違いないと。実際ノミネート作品を観て言うのだが、そんなに大した作品は無かった(←失礼)。

・・・傲慢な男、私をそう呼ぶ人もいる。だがしかし、私は自身の作品に絶対の自信を持っている。そもそも、自信のある作品でなければコンペティションには出品しない。仮に自分の作品がコンペ゚主催者によってグランプリ作品に選出される時、この作品にグランプリを与えても審査員や映画祭自体の品位や権威は保たれるかどうか、そんな煩わしいことに頭を悩ましめなくてもよいように、そこまで考えてから制作している。

いよいよ授賞式。司会者によって一つずつ作品名と監督名が発表されていく。グランプリ獲った。その確信がいよいよ現実味を帯びてきたのは、準グランプリの発表後である。「白鳥の湖」の名は依然として挙がっていない。遂に来たのか。この時が。司会者が勿体ぶった口を開く。グランプリは・・・

私は耳を疑った。そうなのか。やはり私の自信は、虚栄と己惚れの造り出した虚しい妄信に過ぎなかったのか。「白鳥の湖」は、所詮入選以上の価値が無かったのか。・・・壇上でトロフィーと賞金を受け取ったグランプリ受賞者に渇いた無気力な拍手を送りながら、私は落胆の沈鬱な暗い闇の裡に沈み込んでいた。ふと横を見ると、出演者の方々の表情も暗い。皆確信が深かっただけに、唐突に破られた夢の衝撃は大きかったに違いない。確信は落胆を大きくさせた。受賞ならず。何と言うことだ。私の感性が狂っていたというのか。


前代未聞の名誉勲章

失意のうちに、審査総評が始まる。審査委員長である映画監督の佐藤純彌氏が登壇。そこで開口一番、佐藤監督は『「白鳥の湖」』と叫んだ。私はハッとして伏せていた顔を上げた。以下に記した言葉は、間違いなく佐藤監督ご自身から発せられた言葉である。

「白鳥の湖」は、もはや自主映画の領域を完全に超越している。あまりにプロすぎる。他の作品とは比べようもない。よって、当自主制作映画コンペティションでは、審査対象から除外することを審査員の全会一致で決めた。この作品はもっと上のコンペティションに出品し、正当な評価を得るべき作品である』

何と「白鳥の湖」は、上映後に開かれた非公開の審査会議で、一番最初の段階で審査対象から除外されていた。残った12作品の中から、受賞作を選出したのだという。これは西東京市民映画祭始まって以来の前代未聞の珍事である。

顧みて

これは或る意味でグランプリ以上の最高の名誉を頂いたと言っても過言ではない。まさに最上級の褒め言葉を頂いたのである。確かに歴史には記されない事実。だがしかし、この話は紛れもない真実として、関係者の中で永遠に語り継がれていくに違いない。

小野寺昭憲
200インチのスクリーン
200インチのスクリーン
舞台挨拶にて
舞台挨拶にて
授賞式にて
授賞式にて
審査員らと集合写真
審査員らと集合写真

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